京北地域について
京の源流、京北
自然環境に恵まれ、
都に近い距離にある京北は、
古来から暮らしの知恵や技術が育まれ、
京の都へ「食材」や「木材」、
そして「人材」を提供してきました。
また、命の源である桂川源流の、
豊かな水を都に供給してきた京北は、
自然と人と都がつながる
まさに〈京の源流〉の地です。
自然と共にある暮らし
京北地域は、京都市の北部に位置している里山です。面積の93%を森林が占め、豊かな森林資源と、山々が生み出す清流などの自然環境に恵まれています。桂川の源流域にあたり、町を流れる上桂川を中心に複数の支流が合流し、それらに沿って開けた平野部で住民の生活が営まれています。山々を背景に広がる水田や畑と共に、茅葺き屋根の家が点在している様は、日本の原風景を感じさせます。
気候は内陸性の山間地域であることから、季節を通して比較的涼しく、降水・降雪量が多く、昼夜の寒暖差が大きいといった特徴があります。こうした気候を生かして、高品質の米や野菜を生み出しています。
また、良質の水資源と多雨多湿の気候によって育まれる森林は、長い歴史を通して、この町の林業を発展させてきました。
約千二百年前、長岡京・平安京造営の際には、木材の供給地として禁裏御料地の指定を受け、桂川の水運を利用して造営木材を都へ輸送しました。その後も現在に至るまで、建築材や、床柱で使用する北山丸太などの良質な木材を供給してきました。
自然と人が調和した生業(なりわい)と暮らしが今も生き、都市との関係が繋がりながら文化を育んできた京北地域は、古いものと新しいものが混じり合いつつ、その時代に合わせた暮らしの形を生み出してきた地域です。
6つの地域
京北は6つの地域によって成り立っています。京北米は、これらの地域の農家さんがひとつにつながって、みんなで力を合わせて作ったお米です。
国道を中心にお店やレストランが並び、開けた平地には田畑が広がっています。林業従事者が多く暮らしている地区で、木材競市場や加工場、林業学科のある高校などが点在しています。
市街地を形成している周山地区には、官公庁や様々な施設が集まっています。また、歴史の色濃い地区でもあり、中央の城山には、明智光秀の築城した周山城跡があります。
山間に豊かに水を湛えた宇津峡は、レジャーや観光地として絶好の場所です。気候は温暖で、米麦中心の農業、良質な林産物を産出する林業を営んでいます。
禁裏御料地として皇室との関係が深い山国地区は、山国隊で有名です。日当たりの良い平地では稲作が盛んで、山際には整備された人工林が静かな佇まいを見せています。
寒冷な気候で夏は避暑地として人気のある黒田地区には、片波川源流域京都府自然環境保全地域があり、府天然記念物「伏状台杉群生地」は荘厳な美しさを感じさせます。
京北の玄関口にあたる細野地区は平安遷都以来、禁裏御料地として様々な役割を担ってきました。この地区の栗尾峠からは周山地区を一望でき、雲海が包む景観は圧巻です。